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2010年05月14日
今年はハイアマ〜プロ向け大型撮像素子ビデオカメラ元年になるか
今年度に入って、フォーサーズやAPS-Cといった大型撮像素子のレンズ交換式デジカメ(所謂一眼デジカメ系)をベースとしたムービーカメラの発売予告が相次いでいる。
昨年、キヤノンのEOS 7DやEOS 5D Mark IIといった、35mmフィルムのサイズに近い撮像素子を搭載するレンズ交換式デジカメでの映像撮影がプロアマ問わず人気を博し、実際に商業作品の制作などにも利用されたことを受けた動き。
業務用ビデオカメラには2/3〜1/3インチ3CCDを採用した製品が大半で、記録や報道需要に関してはそういった製品でなんら問題ない。だが、映画やPVの撮影など、より芸術性や表現を求めるクリエイティブな層にとっては、低価格でフィルムライクなボケ味を出せるフルサイズCCDやAPS-C、フォーサーズ搭載モデルが待ち望まれていた。このため、映画やPVの撮影を行うクリエイティブな層は数十万でフィルムライクな撮影を行えるEOS 7DやEOS 5D Mark IIに飛びついたわけだ。
だが、レンズ交換式デジカメで動画を撮るにはズームや絞り(アイリス)の自然な操作を行えず、形状も長時間の撮影に向いていない。実際、米国ではEOS-5D Mark IIを無理矢理ムービーカメラ風に改造するパーツが数多く発売されている。しかし、最初からビデオカメラとして設計された製品が登場すれば、そういった苦労をせずとも大型撮像素子を利用したフィルムライクな映像を気軽に撮影できる。
既存のレンズ交換式デジカメユーザーがレンズを流用できることから、限られたハイアマチュアや業務用だけでなく、学生レベルでも頑張れば購入できる民生用ビデオカメラの1つ上の市場が開拓されることを期待したい。
価格帯はEOS 5D Mark IIやEOS 7Dの価格帯、最初にパナソニックが発表したAG-AF100が同社のハイアマ〜プロ向けの業務用ビデオカメラDVCCAMシリーズに属することから、実売50〜20万円辺りがターゲットになると予想される。ただ、既存のレンズ交換式デジカメユーザーを取り込むことが主目的であるなら、思い切った価格設定を行うメーカーが出てくる可能性もあるだろう。
NAB2010で発表された、パナソニック製のマイクロフォーサーズ互換モデル「AG-AF100」。同社の業務用では低価格モデルとなるDVCCAMシリーズに属する。記録媒体はSDカード。SDXCにも対応する。撮影モードは1080/60i〜、720/60p〜のAVCHD。シネマライクな24p撮影にも対応する。HD-SDI、HDMI,、XLR、USB2.0端子などを搭載。年内発売予定。業務用として十分活用できそうな仕様と外観なので、あまり安売りはされないのではないだろうか。
ソニーは5/11に小型のレンズ交換型デジカメ「NEX-3」「NEX-5」を発表したが、発表会場ではそれらと同じ小型の新マウント「Eマウント」を採用したムービーカメラの開発についても発表が行われた。撮像素子はAPS-C相当。2010年秋発売予定。上ハンドルのないコンパクトな形状や広報の仕方から、パナソニックと違ってNEX-5の上位モデル、一眼レフ経験者向けの高級ハンディカムとして販売されそうな感がある。
こーくると、EOS-7DやEOS 5D Mark IIを出したキヤノンがどういった動きをするか気になるところ。現在100〜50万円クラスのムービーカメラを出しており、最近もXF305/XF300を発表した。だが、大型撮像素子を搭載したクリエイティブモデルの話は聞こえてこない。とはいえ、EOS-7DやEOS-5D Mark IIという高額モデルで掘り起こした市場をみすみす他社に渡す意味はなく、フルサイズモデル出せば反響は大きいだろう。なんかサプライズ無いモンですかねえ。
投稿者 sureare : 2010年05月14日 20:45
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