Θケータイのアレ

　以下、いくつかニコニコ生放送やUstなどでの放送者を見ての愚痴と、頭の整理用駄文。

　マイクロソフトが数年前に行った「NetChatNight自遊王国」のスキーム（番組の双方向性、全国のチェーン店舗を利用したマネタイズ、クラウドやSNS連動、マルチ配信の全てを網羅。）へ視聴者として乗っかった経験からすると、ニコニコ生放送の放送かコミュニケーションかわからない通信ならではの多様性は素晴らしいが、金と物量だけはあるテレビと変わらない放送の古くささはなんともなと。

　現状のネット動画配信はニコニコ生放送が圧倒的に強く、主に30〜10代が一日に2万前後もの番組を放送している。このため、ネット動画の双方向性、面白さを引き出す企画力や技術力、集客力の蓄積が他の生放送サービスと比べ数年先を行っている。集客に関してはニコニコ動画側のユーザー囲い混みやサイト内広告の整備による部分も大きい。とはいえ、たった1人がWebカメラで1,000人以上の視聴者を集める番組も数多く存在する（複数枠でミラー）。先日のニコニコ大会議でもそうだったが、女性が半分近いのも特徴。ドワンゴの動きとして、10〜20代を囲い込み、既に曖昧になっているインディーズとメジャーを併せ持った文化圏を作りたがっている動きも見える。

　一方、Ustreamは2chのゲーム実況配信ユーザーが回線の不安定さを嫌ってJustin.tvに移動したのち、Twitter好きな40代辺りの方が、一日数十人が視聴者数十人単位の放送を配信している状況。時折、ソフトバンクのような大企業の配信であったり、人脈から人と設備と金と機材とスポンサーを集めて放送すると、視聴者が1,000人を超えることもある。

　ネット世代の不特定多数の人を大量に集められる、双方向番組の高みを目指したいなら前者。視聴者は少ないながらも、1人あたりの所得を求めるなら圧倒的に後者。新規性や不特定多数への宣伝効果を求めるなら前者、内輪受けやセミナーなどで儲けたければ、後者を狙った方が明らかに良い。

　最近では、ニコ生主が同時にUstやJustinにも配信する試みも行われてはいるが、アンケート機能やコメントの即時性などネット番組ならでは双方向性ではニコニコ生放送、画質や音質でUstやJustinという状況。

　実際、ユーザーもニコニコ生放送だと双方向性に慣れた10〜30代辺りによる要求の高さから、放送とコミュニケーションを混ぜた通信ならではの試みが数多く行われている。一方、Ustでは世代的にネットで流すテレビ的な雰囲気。Twitter活用もレスポンスの悪さから双方向性を活かせておらず、TwitterID公開のためか本音の声は出てこない。放送者に甘いシステム。

　放送側も様々な所を見て回ったが、ニコニコ生放送のユーザーや、今回空フェスを行ったニコ生放送局は、技術だけはとんでもなくあるが機材と金がない。テレビと同等の環境を実演するため、壊れた古いカメラやスイッチャーを数千円で落札し、修理して運用している状況。一方、最近のUst配信者は年齢層が高いだけあって、数十万単位の機材をポンと出す、スポンサーが高額機材や協賛金を出していることも珍しくない。そのくせ、高額機材を扱えてないとなると、世代格差が見えて悲しくなる。