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2008年04月01日
KDDIがLTE採用とか云々
昨年11月、cdma2000採用大手のベライゾンが、4G(3.9G)はLTEを採用と発表。残り大手のKDDIとスプリントも4G(3.9G)で採用する通信方式については沈黙状態。クアルコムのcdma2000向け次世代チップセットがcdma2000/EVDO/UMB/LTEとなるなど、実質的にLTEへの流れを支持。その流れでの報道。
なお、W-CDMA/HSPA(3G)とLTE(4G/3.9G)は策定した機関(3GPP)が同じだけで、世代の異なる別物の技術。LTEを導入する際にW-CDMA/HSPAも導入する必要はない。 KDDIがLTEを導入しても、今更W-CDMA/HSPAまで導入する可能性は無きに等しい。LTEを採用する場合、cdma2000/EVDO+LTEで展開することとなるだろう。NTTドコモ/ソフトバンクはW-CDMA/HSPA+LTE。
LTEを3.9Gと表現するから混乱するが、大雑把に言えば、4Gの想定する広帯域ではなく、3Gと同じ800MHz帯や2GHz帯で、5MHz幅といった20MHz幅以下の狭帯域で運用するから3.9Gというだけ。各社でSIMフリーといった流れになった場合も、LTEでSIPベースの通話(全国クラス)を利用できない限り、当初KDDI含む各キャリアで共通に利用できるのはLTE対応通信モジュール程度となるだろう。
3G(W-CDMA/cdma2000)ではcdma2000(クアルコム)が1xEV-DOを早期に商用化するなど、cdma2000のインフラ自体が優秀だったことと、この世代は回線交換網が現役で2Gと地上網の互換性があるかも重要だった。だが、4G(3.9G)世代のLTEやUMBは無線通信技術でもオールIPという点でも、従来の3Gまでと一端切れている。そのうえ、IMS/MMDによるアクセス網非依存(KDDI的にウルトラ3G)の動きにより、4G(3.9G)世代の選択は3GPP/3GPP2の流れより市場構造・規模によるコスト差が重要となる(より投資効率の良い他の通信方式があれば、そちらでも構わない)。ベライゾンも資本関係に加えてクアルコムの息が強いUMBより……だったのかいな。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル共に、2010年代前半にLTEを採用すると見られる。報道では200Mbpsとか100Mbpsとか景気のいい実験話が並んでいるが、これは20MHz帯域での理想値。
実際は、通話は3G(W-CDMA/cdma2000)、データは3G&4G(HSPA/EVDO+LTE)という構成となり、現在キャリア各社に割り当てられている3G帯域の一部をLTEに入れ替えるか、新しい帯域の割り当てを待つこととなる。3G(W-CDMA/cdma2000)から4G(3.9G)への移行は諸々10年はかかるであろうから、3Gで利用している周波数全てをすぐにLTEで利用することはできない。
このため、LTEのサービス開始当初は、3G向けに割り当てられている2GHz帯20MHz幅などの一部、5MHz幅程度をLTEに転用しての運用となり、当初の最大通信速度は20〜30Mbps程度になるだろう。最大100Mbps超のサービスが提供されるとしたら、4Gとして1キャリアに60MHz幅とか広い帯域幅を割り当てられてからになると思われる。
投稿者 sureare : 2008年04月01日 10:18
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コメント
良く読めば、次世代方式で統一とは書いてますけどね
LTEをW-CDMAの後継とか統一とか蛇足で意味不明なだけで
今回は3Gの時と違って、20MHz幅を用意できたなら、
スループットが上がる保証のある点で明るいです
3Gの時は当初1xEV-DO以外終わってましたから……
4Gで広い周波数帯が割り当てられるかに期待かな
つか、結局1xEV-DOに始まり、オールIPに全体が
統一され、移行する過渡期ってだけなんで。
通信方式より上のレイヤーや、コグニティブ無線
とか見ていった方がいいですね。
KDDIがドコモやSBと同じ通信方式を使うという報道が出て、
とうとうauもW-CDMAに?と勘違いしてしまいました。
でも、急に理想の通信速度になるわけがないですよね、
ドコモのハイスピードでも差があるみたいだし…